Apo散剤監査システム
   (視覚と聴覚で調剤過誤を防ぐ おしゃべり天秤)
                     ハード編

           更新日  2003.08.01

          最終更新 2002.10.28 Ver 3.0 
                         制作 大野 勝則        ミラーサーバ


Q&A掲示板のご報告では、手持ちの機材を流用して、3-5万円の資金で「おしゃべり天秤」を作り上げた先生方も多くおられます。

私がApo散剤監査システム試作に揃えたもの (2001.夏)

・ノートパソコン 3−4年ほど前のNEC VersaPro NX(P55C−133MHz 1.6G 64MB)である。  
   シリアルポート1個とパラレルポート1個が付いている。 【秋葉原のネット中古ショップで19,800円】
・CCDタッチ式バーコードリーダ(キーボード入力) WelCat Touch7Σ    【ネットショップで25,800円】
・電子天秤は計量法改正時に新規購入した「イシタ゛ MB−A600」をそのまま使うことにして、
                  今回はオプションのRS232C通信ユニットのみを購入。        【メーカ直販 21,000円】
・RS232Cケーブルなどのケーブル類                                    【約2,000円】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ここまでが最低必要な機材−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・エレクターラック パイプ&棚                                         【ホームセンターで約3000円】
・パラレルポート接続のレシートプリンター EPSON TM−T88UP (80mm巾のレシート用)
(注意 58mmタイプは使用不可です) 

                                                            ハード関係支出  93,600円 

【バーコードリータ゛】

周辺機器を選ぶ際、もっとも注意が必要なのがバーコードリーダである。購入する場合は、PS/2接続の場合、使用するノートPCで動作するかをメーカに確認するか、メーカの貸出機にて動作確認をしないと、旨く動かなかったと言うことがあります。USB接続のバーコードリーダならほぼ確実に動作しますのでお勧めします。

下記の設定が出来るもので、自分のPCで稼働するものを選択して下さい。

最低、次の2点の設定の可否は確認が必要です。
  1 サフィックス(JANデータの後ろに付くエンドキャラクタ 改行コードなど)を無しに設定可能(工場出荷状態の改行コードが付いたままだと誤動作します。
  2 常時読み取りモード設定が可能。(左手に持った薬瓶を机上に固定したバーコードリーダに近づけ、JANを読ませる方が実用的。設置方法は写真参照)

安価なバーコードリーダ販売店 
 エリート    CCDバーコードリーダが1万円から 無料貸出機有り。
 テクニカル   USB接続(キーボードエミュレータ)バーコードリーダが13800円から (使用ユーザ有り)
 A-POC    予算があって、使用頻度の高い薬局さんにはオムニタイプが一番のお勧めですが、高価。(使用ユーザ有り)
 エフケーシステム レーザ式が19800円・ハンズフリー用の専用スタンドが2000円(使用ユーザ有り)。

【注意】[RS232C(USBエミュレータを含む)接続バーコードリーダには未対応です。]と書いたのですが、Windowsの「ユーザ補助機能の中に、シリアルキーディバイスを使う」と言う機能があり、この機能を使用すると、RS232C接続のバーコードリーダもキーボード入力のバーコードリーダと同様に使用できる事が判りました。ただしCOMポートが2個無いと電子天秤が接続できません。

【ノートPCの選択】 
IBM ThinkPadは機種により、バーコードリーダを接続しても入力できないと言うことがあります。これはThikPadのPS2ポートが他のDOS/Vノートとは仕様が異なるためです。
キーボード分岐ケーブルを使用するなどの対処方法はこちらのA−POCのHPを参照ください。

中古PC−SHOP参考URL     PCNET      おっと       テイクオフ (江東店では中古分包機なども販売してます。) 

【プリンタ】 Windowsの通常使用するプリンタに印刷できます。A5縦または80mm巾レシートを基準に、印刷項目を設定してあります。

Windows用インクジェットプリンタ(ちょっと大きいが安価)やLAN接続を経由してネットワーク上のレーザプリンタで印刷されている薬局さんもあります。

またはWindows用プリンタードライバーのあるレシートプリンタ(EPSON・富士通・三栄電気・スターなど、コンパクトで良いが少し高価)が使用できます。LAN接続を経由して領収書・お薬手帳などと一台で印刷されている薬局さんもあります。


使用実績のある周辺機器をリストアップしてみました。参考にして下さい。 

 

一番の問題!!!
狭い調剤台にA4サイズのノートPCをどうやって設置するか。

90p幅の散剤用調剤台にA4サイズのノートPC+電子天秤をそのままおいたのでは仕事にならない。

そこでホームセンターで見つけたスチールラックのマウス棚を転用することにした。
(アイリスオーヤマ製造 マウストレーMR−2MT)
http://www.irisohyama.co.jp/index1.html

「宙に浮かぶPC」で調剤台の机上を有効に使え、安くて丈夫である。
高さはお好み次第。また左右に約90度首振りできるので、後ろの瓶を取るときは動かせる。

設置はスチールラック用パイプ1本の下部を調剤台に固定金具で固定。上部は吊り戸棚の側面にサドルバンドで固定。上部に固定する物がなければ、床から立ち上げても良い。

ディスクトップPC+液晶モニターを使った山口旭薬局さんの設置例です。


・予算があれば定置式の全方向レーザバーコードスキャナーがいいのだが、このバーコードスキャナ単体で12-18万円もするので、JAN読み込み効率は若干落ちるが、安価なCCDタッチ式バーコードスキャナーを選択。

散剤の容器に付いているJANコードは、ほとんど縦型に配置されているので、バーコードリーダも写真のように読み取り窓が縦になる様に配置した。
一部横型JANの商品は、縦型バーコードラベルを作成して容器に貼っている。

手持ち型CCDバーコードリーダ設置例
・薬瓶を左手で持ってバーコードを読ませるために、バーコードリーダをL型仕切板(ブックエンド)に固定して、調剤台の上に設置。(初期はラック前面に付けていたが薬瓶の上げ下げが辛い。)

・バーコードスキャナーの手前には、+キーに「完了印刷」シールを貼った改造テンキーボードを置いてあります。(+キーをキー入力すると、レシートプリントできます。)

・L型の金属製仕切り板は”無印良品”という大手雑貨店で1枚180円で購入しました。
バーコードスキャナーは両面テープで仕切り版に固定して、且つナイロンバンドで補強してあります。

・底面には、ゴム足を4個貼り付け、傷防止と高さをかせいでいます。
エリスロシンドライシロップ100gボトルのバーコード印刷位置が机上から8−9cm程度ですから、ゴム足で読み取り窓の高さを高めに調節しています。

手持ち型バーコードスキャナーを調剤台の机上に、安定した状態で置ければ良いわけですから、色々なものを使って工夫してください。

設置全景

スチールラックにバーコードスキャナとノートPCを固定設置した全体の様子。

後にCCDバーコードリーダは、調剤台の机上に移動しました。

奥に移っているのはレシートプリンター。

各種ACアダプター・余りのケーブルは調剤台奥にコードを通す穴をあけ、調剤台と冷蔵庫の間の隙間に収納してあります。






下の写真は、急病診療所薬局でのパソコン&プリンターの設置例です。
当初は左側の薬品棚の中に、PC&プリンターを設置していましたが、医薬品の増加で追い出されて、こんな形になりました。ノートPCの音量が小さいのでアンプ付き外部スピーカを増設しています。

ラック用パイプは床面から立ち上げ、手すりパイプの固定金具2ケで薬品棚に固定しています。
写真のようにマウス用ラック2段重ねの豪華版?です。
ACアダプター類は、薬品棚の外側面にぶら下げてあります。

急病診療所薬局にApo散剤監査システムを導入するために掛かった費用は、
新品の電子天秤(新光電子 オプションつき DJS−300 7万円)
中古のノートPC (WindowsバックアップCD付き +IBMViaVoice 約3.5万円)
・バーコードリーダ・レシートプリンターのフルセットで約16万円程度でした。
後にスチールラックを6千円程度で追加購入。

Q&A掲示板の書き込みでは、手持ちの機材を流用して、3-5万円で「おしゃべり天秤」を作り上げた先生方も多くおられます。

電子天秤へのオプション取り付け

電子天秤を新規購入する場合は、オプション付きで発注すると、メーカの方で組み込んでくれます。

当店の場合

・(株)イシダ(新光電子製造)のMB−A600という認定印付き電子天秤を計量法改正時(2000年)に新規購入した。
・この電子天秤のオプションとしてRS232Cユニットがあったので、今回はRS232Cユニットだけを追加購入した。

・他社製電子天秤への対応:イシダ・大和ハカリ・ウエダ・高園などの販売業者の扱っている物は、新光電子(株)製造のOEM品ですから、そのまま使用できます。(音叉振動式のもの)
・新光電子CGHシリーズは、データフォーマットが一部異なり、g数読み上げが棒読みになってしまいます。DX版は対策済みです。
・ユヤマ・島津・A&Dなどの電子天秤については、RS232Cフォーマット及び通信設定の情報がないので、未対応です。

分解 

・上皿を外すと、5個のネジが見えます。写真赤丸の大きなねじと、最も外側の2本のねじを外します。
・黄色のねじを弄ってしまうと、メーカにて再調整が必要になるとの事であるから、注意。

開腹手順



左写真のように前面底部のロック爪を外す。
後は、上カバーを持ち上げると、後ろ側のロック爪は簡単に外れる。
上カバーを外す時に注意するのは、スイッチ部分への配線が、リボンテープ(赤の四角部分)であるため、強い力を加えると断線しやすいので、慎重に!!!


RS232Cユニットの取付事態は、ねじ1本とコネクターを1ヶ所差し込むだけで、簡単に済んでしまう。絵付きの取り説が付属している。

ノートPCとの接続ケーブル用のコネクター部品は、RS232Cユニットに付属しているが、ケーブルは自作。おまけにケーブルに半田付けしなければならない。

新光電子・イシダ等のメーカでもケーブルの作成をしてくれます。(価格は1万円程度とのことです。)

RS232Cケーブルの結線は、豊見先生のHPを参考にさせていただきましたが、言葉だけでは判りにくいというご意見を頂きましたので写真入りの作り方ページを作成しました。

電子天秤のファンクション(動作モード)の設定
取扱説明書の内容の内 下記の項目は必ず設定する必要があります。
出力制御  6.oc 5 安定時1回出力
伝送速度  7.bl 3  4800bps

         【おしゃべり天秤DX2】     ソフト編へ   ダウンロード    RS232Cケーブル作成