【高脂血症と熱寒食養生】


【現代の傾向】

近ごろでは、“フェミオ君”と言われるような線の細い男の子も出てきているようですが、男性女性にかかわらず『えっこの人が・・・・・』と思うようなスマートな方でも、病院などで血液検査を受けた際“コレステロールが高いですよ。

動物性の脂肪などをあまりとりすぎないよう食事の内容には十分気を付けて下さい。”などと指導される方が以外に多いようです。
このことは、老若男女を問わず、増加傾向にあると思われます。繰り返すようですが、これらの原因の大半はライフスタイルの変化だと思われます。
食事の欧米化、夜遅く食事をするような生活、ファーストフードの普及などなど。

ところで、日本人の食生活について、注目すべき点がもう一つあります。
コレステロールを多く含む食品の代表に、エビ(+1)があります。養殖のものも含め世界でとれるエビのなんと80パーセント近くが、日本の食卓のために用意されているのだそうです。
どんなに日本人がエビ好きとは言え、過ぎたるは何とやら、ただでさえ血を汚すと言われているわけですから、ちょっと食べ過ぎになっているのではないかと思わざるを得ません。

コマーシャルで“やめられない止まらない・・・”と言うおなじみのものがありますが、このフレーズのお菓子がロングランでヒットしていることからも日本人のエビ好きが伺えるわけですが、体のことを考えれば、おいしいものも、少しは我慢しバランスのとれた食事に目を向けることもたまには必要かと思います。


【食養生の勝利】

この間、こんなことがありました。お店に一見やせ型、胃腸が弱そうな中年の男性の方がいらっしゃいました。
どう見ても、高血圧、コレステロールが高い、という感じではない。
ところが、この方の相談内容は私の予想とは全く反対のことでした。このことについてお話ししましょう。
最近になって血圧はともかくも 総コレステロール、中性脂肪 が増加してきたとのこと。

そこで早速食事の内容をチェックしてみることにしました。
その結果、やや肉類は多いようなものの、ビールも飲んで一本程度と言うことで、これといった悪い点は見当たりませんでした。

色々お聞きしているうち次のことがわかりました。
もともとこの方はあまりアルコールをお召しになる方ではなかったそうで、七、八年前から、ちょっとしたことがきっかけでたしなむようになったとのこと。また、胃や十二指腸は以前よりウィークポイントであったということです。

以上のことから、私は改善策として、田七人参が主成分のものを一日二g程とってもらいながら、血中の脂肪を下げるための献立を実行してもらうことにしました。

血中の脂肪を下げる献立

〈肉類〉 豚ヒレ肉の鍋焼き(+323.1)
牛肉の中国風あえ物(+85.75)
〈魚類〉 サバのトマト煮(+4.75)
揚げアジの五目あんかけ(+315.2)
〈野菜類〉 五色なます(+171.2) 
筑前煮(+213.25)
〈豆類〉 生揚げとレンコンの南蛮煮(+148.2)

この方は、タイプ的にはやや寒タイプなので、果物及びケーキなどによる糖分を控えてもらい、ビールはビンから缶など少し量を減らし、これらの摂取により作られる中性脂肪の生成を抑えると同時に、肉主体の料理も週に一回から二回程度にしてもらうよう工夫してもらいました。

そして六ヵ月がたちました。それぞれの数値がどうなっていたかというと総コレステロールの値が270rから199rへ、中性脂肪は155rから118rへと減少していました。

田七人参の力も当然あるわけですが、今回の場合は熱寒という考え方をよく理解しそれに基づいた食養生を実行された御本人の勝利といえるでしょう。
この方、現在では非常に調子がよくなり、二ヵ月に一度くらいですが、田七人参を買っていかれます。


【基本的なこと】

こんな話もあります。先程とは反対に、一見して“コレステロールが高そうだな・・・”という感じの五十一才の女性のお話です。
この方は大変な医者嫌いだそうで、どうしてかと尋ねると、“病院へ行くと「やせろ」とか「食事に気を付けて」など色々言われるので面倒臭い”のだそうです。
別にこれといって症状があるわけではないので自分なりに考えて食事療法をしコントロールしているといいます。
そこでそのダイエットの食事ということについて聞いてみると、『私なんか御飯は一日一回しか食べてないし、よく動くし(本人の基準ですが)、それにコレステロールの多いものなんかあまり食べないようにしているのよ。

でもやせないのよねぇー。
食べなきゃやせるって言うのは嘘ね!! 」などとおっしゃいます。

よくよく聞いてみると、大好きな御飯を我慢するあまり、お友達とコーヒータイムにショートケーキ一個、本当に小さいのをぺロッと食べてしまうそうです。
また、料理に植物油を使っていれば食品中のコレステロールがまるで全部消えるとでも思っているようです。これで本人としては、コレステロールが全く高くならないと思いこんでいるわけです。これでは何にもなりません。

びっくりするやらあきれるやら。意外にこんな方が多いんです。

御承知の通り、三角の小さいショートケーキ一個はカロリー比較すると御飯で軽く四膳分に相当します。
主観的な「腹量計算」ではなく、客観的に食事内容を見直す必要があるようですね。


この文章は薬局新聞に連載された原稿をホームページ用に再編集したものです。

大和久式熱寒食事検査法は日本国において特許を賜りました。


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