【健康食品と熱寒食養生】


【常識の非常識】

1996年1月22日(月)、読売新聞夕刊の「変わる栄養常識」に、“リノール酸のとりすぎは逆効果”という記事が出ていました。(別表B参照)
何ら疑うこともなく、今までは常識だったことが、ある日突然非常識へと変わっていきます。
もちろん不安を感じる必要はなく、電気の発見などと同様に、これは未知だったところが時間とともに解明されていった結果ですから素直に受け止めていけば良いことだと思います。
別表−(1996.1.22(月)読売新聞夕刊に掲載された、 奥山治美・名古屋市大教授作成の表

飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸
油脂名 パルミチン酸 オレイン酸 リノール酸
(n−6)
αリノレン酸
(n−3)
EPA、DHA
多く含まれる
食品・油脂
肉類・乳製品
パーム油
ココナッツ油
ラード・牛脂
バター
肉類・乳製品
オリーブ油
新紅花油
ラード・牛脂
バター
穀類・豆類
ヒマワリ油
紅花油
コーン油・大豆油
マーガリン
マヨネーズ
野菜類・魚介類
紫蘇油・魚油
エゴマ油
取りすぎの害 肥満・癌・成人病 肥満・癌・成人病 癌・成人病・
アレルギー
特になし
栄養
アドバイス
控えめに 控えめに 従来の半分に
減らす
従来の二倍に
増やす


このように、ものの見方、考え方は、時代が進むにつれ変化して当然です。
私たちは、新しい事実の発見、情報に常に耳を傾けておく必要があります。


【何故か健食されど健食】

世の健康ブームは、いまなお衰えを見せません。次から次へと、よく"ねた"もつきずに続くものだと正直思います。
もっとも、途切れることもなく、手を変え品を変え流行を作り出しているマスメディアの存在があるのも事実です。ブームが起きては消えまたブームが起きる。

最近では副作用の存在などで医薬品を毛嫌いする人が多いせいか、同じビタミンを含むものでも健康食品が医薬品よりも売れているという話も出てきています。

しかし、健康食品という性格上、資格がない人でも簡単に売れるものですが、医薬品ではないけれども、健康管理に役に立つものであり、使い方を間違えれば害になる場合もありますから、それこそ有資格者が、 責任をもってアドバイス をし、その上で販売する方がよいに決まっています。

余談ですが、健康食品の中で最もクレームが多いのはクロレラなのだそうです。よく売れているということもありますが、何より販売方法に問題があるようです。
多くのものがそうであるように、品物そのものは品質的に非常に良いものであったとしても販売方法がいかがわしいために、世間から酷評され姿を消したものもいくつかあります。
皆さんもよく耳にしたことがあると思いますが、相談専用と書かれた電話番号に電話をすると、相談員が伺いますからといわれ、住所を教えるとすぐにとんできて、まず飲んでみてとビンのふたを開けどんどん出す。

健康食品だから 副作用は絶対ない といい、そして一年分どうぞとか年の数だけ飲まなければ駄目だなどといって、結果的に大量に買わされてしまう。


【食べ物としての健康食品】

健康食品は、文字どおり食品です。食品だからといって、なま物を食べ過ぎれば下痢をするのと同様に食害がでないとは言えません。

であるからこそ、消費者一人一人に適切なものを適切な量加減までを割り出しアドバイスできる一つの方法が私たちが考案した 大和久式熱寒検査法 というわけです。

体質は人それぞれ異なるわけで、皆が同じやり方でうまくいく方が不自然です。
健康食品を使用するにあたっても、その人の体質に応じて使用する量を定めることが出来れば、今現在より数倍有効に使用することが出来るのではないでしょうか。
少なくとも、体によいとばかにクロレラを飲みすぎて、結局体をこわし、入院してしまった
というお粗末なことにはならないと思います。


【実践!!熱寒検査法】

やり方は簡単です。その人の食事の内容から熱寒指数を調べ、その数字から適した健康食品の摂取量を割り出すだけです。
では、その手順をお話ししますので参考にして、是非活用してみて下さい。

それでは、20代女性と50代男性の実例をもとに、熱寒指数の把握と適切な健康食品の摂取量を割り出してみましょう。

A子さん( 20代女性)のある日の食事内容

(熱寒指数合計値 +234)

朝食
(+100)
昼食
(−247)
夕食
(+381)
トースト2枚 (−14)
マーガリン14g (0)
紅茶2杯 (+114)
ご飯一膳(0)
漬物 (−67)
ソーセージ100g(0)
烏龍茶 (−180)
ご飯一膳(0)
カボチャの煮物(+244)
味噌汁 (+80)
コーヒー (+57)

若い女性に多く見られるわりとあっさりした内容のメニューです。
1日合計の熱寒指数は−3となり、標準熱寒指数に比べ、明らかに低すぎる数字になっています。
A子さんの場合、女性の標準熱寒指数である500−600との差を 熱性の健康食品 で補ってあげればバランスが取れるわけです。

B男さん(40代男性)のある日の食事内容

熱寒指数合計値 +1130

朝食
(+156)
昼食
(+260)
夕食
(+543)
鯵塩焼き(+158)
漬物(−67)
大根おろし(−50)
たらこ焼き(+90)
ゆで卵 (+25)
ご飯 (0)
ざるそば(−77)
たぬきうどん(+337)
コーヒー2杯 (+114)
牛ステーキ(+207)
スパゲテイナポリタン
(+436)
グリーンサラダ(−100)
コーヒー (+57)

1日の合計指数は+1130で、標準熱寒指数に比べると500点くらいオーバーしていることになります。

B男さんの場合は、 寒性の健康食品 でオーバー分を冷やしてあげれば、バランスが取れるわけです。


【A子さん(寒性)、B男さん(熱性)のお進め健康食品例】

健康食品名 摂取量の目安
A子さんの場合 B男さんの場合
熱性の健食 紅参
にんにく粒
黒酢
ケフィア
田七人参
オニオン
冬虫夏草
牡蠣エキス
松葉エキス
卵黄油
7−9粒
3−4粒
14−19ml
3−4包
8−10粒
15−20粒
17−13粒
5−6粒
7−9ml
3−5カプセル
*2
平性の健食 モロヘイヤ粒
目薬の木
深海ざめエキス
キチンキトサン
メーカー推奨量 メーカー推奨量
寒性の健食 クロレラ
CGF
キダチアロエ
根昆布エキス
熊笹エキス
*1 34−41粒
30〜36ml
4〜6粒
18〜23粒
12〜15ml

*1 寒性体質のA子さんが体を冷やす性質の寒性食品を、摂取することは原則として不可。

*2 熱性体質のB男さんが体を温める性質の熱性食品を、摂取することは原則として不可。

ただし、特定の食効を求める場合は、減量して摂取することをお勧めいたします。


この文章は薬局新聞に連載された原稿をホームページ用に再編集したものです。

大和久式熱寒食事検査法は日本国において特許を賜りました。


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