フリーソフト

Apo散剤監査システム  「おしゃべり天秤」

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最新バージョン Ver 3.0  2002/10/18 
                  制作 大野 勝則       おしゃべり天秤DX2

・・・・・Apo散剤監査システムがパソコン活用雑誌に紹介されました。・・・・北海道から鹿児島まで800台を越える「おしゃべり天秤」が調剤過誤防止のために働いています。・・・・・
【効能または効果】 散剤の調剤過誤防止、薬剤師不安症候群。
【用法】        通常 散剤調剤台に1台を設置して使用する。症状により適宜増設する。
【使用上の注意】  本ソフトはフリーソフトであり、使用上の全責任は、使用者に帰属する。
【重大な副作用】  依存性・習慣性がある。

散剤監査システムってどんなものか?

・スーパー・コンビニでお馴染みのPOSレジは商品に付いているバーコードをピッと読ませるだけで、A商品を何個・B商品を何個お買い上げか自動的に入力されます。
レシートには商品名・個数の他に合計金額・消費税額まで記入されます。

・散剤監査システムはPOSレジと電子天秤を組み合わせて、A薬品に付いているバーコードをピッと読ませて計量すると、A薬品を何g・B薬品を何g計量したのかをPC画面とレシートに薬品名と計量g数と言う形で記録し、計量中や監査時に処方箋と突き合わせ確認できるものです。

なーんだPOSレジか!!!

計量記録が残る」=「正確な監査ができる。」、たったこれだけのことなんですが散剤特有の薬剤師不安症候群に効果があるんです。

つり銭間違いは、お詫びして清算できますが、調剤ミスは患者さんに重大な健康被害を及ぼす場合があるので、万が一にもあってはならないことです。

薬剤師に優しい簡単操作でヒューマンエラーをチェック

「おしゃべり天秤」は誰にでも使える簡単操作でヒューマンエラーをチェックし、調剤過誤を防ぎます。
市立休日夜間診療所では、30−50代の薬剤師はおろか、PCに不慣れなはずの60−70代の薬剤師も喜々として使いこなしておられます。

・朝の就業時、パソコンの電源スイッチをONにします。パソコンに触れるのはこの1回だけです。

バーコードを読ませる−−>秤量する−−>乳鉢に移す。
計量中にPCや電子天秤を操作する必要はありません。新たに必要となる動作はバーコードを読ませるだけです。

・バーコードを読ませると、自動的に薬品名が画面表示され、パソコンが薬品名を音声で読み上げてくれます。・計量g数も音声で読み上げてくれます。(計量時の読み上げイメージです。

・操作ミス、未登録品などのエラーも音声で警告されます。

今まで視覚だけに頼っていた薬品名の確認を聴覚でも確認できる、ダブルチェックで薬品の取り違えを防止します。

・散剤の計量が終わったら印刷用バーコードを読ませるとレポートが印刷されます。監査時に処方箋と突合せ確認し、かつ薬歴簿に貼付保存しておきます。

・閉店時には業務終了用バーコードを読ませるだけで「おしゃべり天秤」・Windowsの終了、パソコンの電源OFFまで自動的に行えます。
PC操作に不慣れな薬剤師でも活用できます。

「おしゃべり天秤」は操作が簡単すぎて、PC好きの薬剤師には大分物足りないようです。しかし多機能化すると操作が煩雑化して機器を操作する事が目的になってしまい、本来の目的である調剤業務の手元が疎かになってしまう危惧があります。「おしゃべり天秤」は誰でも使える簡単な操作を基本方針に設計しています。

簡単操作の「おしゃべり天秤」は月1−2回の輪番制で薬剤師会会員が執務する市立休日夜間診療所においても、PCに不慣れなはずの60−70代の薬剤師の方々も使いこなして頂いております。
こういう施設で調剤過誤が発生すると、患者様への謝罪の他に行政・医師会への説明・謝罪という余分な仕事に薬剤師会役員が翻弄されてしまうのですが、幸いなことに導入後2年以上経過しましたが散剤がらみの調剤過誤は報告されておりません。
また薬剤師会医薬品センターで散剤の分譲時の正確性向上にお使いいただいている薬剤師会さんもあります。

省スペースPC+液晶モニターを使った愛知県・山口旭薬局さんの設置例です。

設置スペースが無いため、中空に浮かぶノートパソコン

【薬剤師不安症候群】

医薬分業の進展に伴い、街の薬局にも処方箋が持ち込まれるようになった。調剤過誤の報道も多くなっている。

特に散剤での調剤ミスは、患者に重大な健康被害を与えてしまう場合が多く、慎重な調剤をしているつもりだが一抹の不安を拭えない。
なぜ散剤の調剤を薬剤師が不安に思うのか?
いろいろな要因があるが日薬の調剤過誤防止マニュアルの実例によれば

1:処方箋記載量が主薬量(力価)記載か重量記載か?
  Ex:テオドールDS 600mg 分2 M.A の処方に1日量3.0g 分2 朝・夕として誤調剤。患者は1歳。
    
  Ex:アレビアチン10倍散 0.36g 分3 28日分 の処方に対し 1日量0.36gとして誤調剤。患者は55歳成人。

2:記載医薬品は原末か倍散か?
  Ex:フェノバール10倍散とフェノバール末の誤調剤

  Ex:ガスター散(10%)とガスター散(2%)の誤調剤

3:主薬量(力価)から重量に換算する際の計算間違え
  Ex:メプチン顆粒0.01% 40μg の重量換算で1日量を4.0gと換算した。

その他にもテグレトール細粒(50%)・テオドールDS(20%)・デパケン細粒(40%)など倍散の違いによる換算ミスが多い。

4:薬剤の読み間違え・思い込み

  Ex:テグレトール(細粒)の処方に、テオドール(DS)を誤調剤。

  Ex:ケフレックスの処方に、ケフラールを誤調剤。

5:薬剤瓶の取り違え

  Ex:ジゴシン0.1%とジゴシン0.01%の誤調剤により患者死亡。 (メーカ製散剤監査システムを使用していたが・・・・。)

6:分包数の間違え。

  Ex:デパケン細粒 分3 14日分 42包とすべきところを、分2 14日分 28包として分包。

散剤の調剤では、倍散の規格・主薬量(力価)についての知識不足や思い込みによる調剤ミスが多い。
さらに調剤ミスが調剤過誤に直結してしまうのは、交付時の監査が困難であることに起因する。


総重量監査は盲点だらけ
二十*年前に病院研修生をしていた時、既に分包後の総重量を再度計量して監査していたから、ずいぶんと昔々の工夫である。当時は院内処方であるから紛らわしい銘柄名・規格のものは、意識的に採用していない。フェノバール 0.4g とあれば、院内採用のフェノバール10倍散であり、フェノバール原末は置いてないから間違いようが無い。それが院外処方になって、街の薬局の散剤棚にはフェノバール原末とフェノバール10倍散が置かれるようになった。フェノバール10倍散は着色してあるのがせめてもの救いか。

薬剤師として一番怖いのは、事例4:のテグレトールとテオドールの読み違えである。
「テ・・トール・・ 0.5」という手書き処方箋を読んだ調剤薬剤師はテオドールDSを記載どおり計量分包、監査薬剤師は総重量監査で白い粉末が規定のg数分包されていることを確認して、テグレトールは白い粉末だから監査済みとして患者に交付した。

目視監査では分包紙に分包された白い粉がテグレトールか、テオドールか、容易に確定できない。2種類以上の混合だったら、混合比が正しいかをチェックすることも不可能だ。

 散剤監査システムを使って銘柄の特定・計量g数を記録に残せば、監査時に事例1:−5:までの調剤ミスを発見防止できるはず。6:の事例は分包数を数えることでミスを発見防止できるのである。散剤監査システムを使えば、散剤特有の薬剤師不安症候群は解消できるのだが、市販の散剤監査システムはメーカ価格が140-280万円と驚くほど高価なのである。街の零細薬局ではなかなか導入できる値段のものではないと諦めていた。

相次ぐ調剤過誤の報道に、薬剤師として心痛めた開局薬剤師たちが知恵を出し合い、調剤過誤を防ぐフリーソフトとして公開したものが、Apo散剤監査システムソフト「おしゃべり天秤」です。

市販テキストリーダを組み合わせて、電車の運転士さんが事故防止のために実行している指差喚呼を見習いPCに薬品名を読み上げさせます。




ラックを2段使用してノートPCとプリンターを調剤業務に支障のないよう配置した例です。

 Apo散剤監査システム作成に必要なものは 

新光電子(株)、またはイシダ(株)・大和ハカリ(株)販売(新光電子製OEM品)のRS232Cオプション付き音叉式電子天秤。(納入価7-8万円・オプションのみは2万円)

・電子天秤とPCを接続するRS232Cケーブル1本。(ケーブルの自作が無理ならメーカの営業所で加工してくれるそうです。5千−1万円程度)

・Windows95・98の入ったノートパソコン1台。(最新型のものは不要、中古、お下がり品で十分です。)

・キーボード入力(エミュレーション)のバーコードリーダ。

・Windows用インクジェットプリンタまたはレシート専用プリンタ。プリンターは無くても可。

・テキスト読み上げソフト(IBM ProTaker97 またはMicrosoft Agentというテキスト読み上げエンジンを使ったフリーソフトも2本あります。(漢方薬の調剤が多い薬局さんは辞書登録ができるProTaker97がお勧めです。)

・Apo散剤監査システムソフト(市販のソフト同様にインストーラが付いていますから、画面の指示に従うだけでインストールできます。)

・最後に薬剤師として調剤過誤を無くして行こうというあなたの熱意。 詳しくはハード編・・ソフト編をご覧下さい。

ユーザの使用実例がある周辺機器をリストアップしてみました。参考にして下さい。


ある一人薬剤師の工夫

Apo散剤監査システム「おしゃべり天秤DX」ユーザの一人薬剤師の先生から、散剤・水剤は言うに及ばず錠剤・カプセルまでJANと銘柄名を登録して、調剤時には銘柄読み上げをさせ、記録を残している。規格が複数ある銘柄は、銘柄名に続けて「他規格あり」、「注意」などと登録しておけば、PCが読み上げてくれます。
この作業が一人薬剤師にとって監査になって良い。というメールを戴きました。

当方も一人薬剤師だし、***5mgと***10mg間違えて渡したこともあるから、早速追試したところ「セレネース錠3mg 他規格有り」と読み上げてくれるので、なかなか良いと思います。レポートの単位がgのままですが、大勢に影響なし。

それにしても、3人集まれば文殊の知恵、いろんな使い方があるものです。 

・簡単操作で散剤の予製剤、水剤、軟膏に対応。

        (錠剤名の読み上げ、調剤錠数記録も可能)

            「おしゃべり天秤DX2」も好評です。(作者 Linden氏)


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